【お寺とは】

お寺とは世界三大宗教の一つである「仏教」の宗教施設である。仏教とはお釈迦様(ゴーダマ・シッダールタ、のちのブッダ)の教えを広める宗教で、日本には主に、奈良仏教系、天台系、真言系、浄土系、禅系、日蓮系の6系統の宗派がある。

※ブッダとは、「悟りをひらき、人々を救うもの」を意味する。

【寺院の名称(称号について)】

お寺の正式名称は「〇〇山〇〇院〇〇寺」とするものが一般的である。

※○○山が山号、○○院が院号、○○寺が寺号である。山号や院号、寺号がない寺院もある。寺院の多くが山の中に作られたことに由来し○○の山にある所在地を表すものとして山号が用いられる。

【お寺の寺格制度について】

お寺には寺格というものがあり、各宗派内において「お寺の格付け」を表すものである。本山とは仏教の各宗派内でトップの位置にあり数多く存在する寺院を統括するなどの機能を持つ特別な寺院のことである。この寺格体制は、本末制度と呼ばれ江戸時代に制度化されたものである。宗教法人に登録されている寺院は必ずいずれかの宗派に属しており、それら数多の寺院は本山によって統括管理されている。寺格は上から「総本山」≒「大本山」〉「別格本山」〉「本山」〉「本寺」〉「中本寺」〉「直末寺」〉「孫末寺」などに階層分けされている。※宗派によっては大本山を1番上の寺格とするところもある。江戸幕府が実施した本末制度により、各宗派の寺院は管理されることとなり、勝手に新たな寺を建立することは禁止され、新宗派を興すことができなかった為、戦前まで十三宗五十六派でその数は固定されることとなった。この時に江戸幕府は、庶民に対していずれかの宗派に所属させる「檀家制度」を導入したのである。

【崇拝対象】

主に仏像である。当初は開祖である釈迦像のみであったが、仏教が発展していくなかで、菩薩や如来など様々なものが生まれ、現在では彫刻像や絵などが祀られている。

【入口に山門】

神社の鳥居と同じような役割をはたしているのが、「山門(さんもん)」である。山門より先は仏様の聖域であり、山門をくぐることで心が清められ、清らかな心で仏様を拝むことができるという役割がある。

【聖域の守護者】

金剛力士像(こんごうりきしぞう)。別名:仁王像(におうぞう)。仏様の教えの敵となる者の侵入を防ぐ守護者で、山門の左右に配置されている。

【聖職者】

お寺における聖職者は「僧侶(そうりょ)」と呼ばれ、一般的に「お坊さん」と呼ばれている。正式に僧侶になるには、出家して修行を行い、各宗派から度牒(どちょう)という証書を授かる必要がある。

【日本仏教の代表的な宗派と本山について】



【管理組織】
公益財団法人「全日本仏教会」

西暦1900年。国家の宗教統制に反対して結成された「仏教懇話会」に淵源を持ち、広く社会に向けて、仏陀の「和」の精神を基調に、仏教文化の宣揚と世界平和に寄与することを目的として活動している日本の伝統仏教界で唯一の連合組織である。合計106の団体が加盟している。(平成30年時点)