お寺には寺格というものがあり、各宗派内において「お寺の格付け」を表すものである。本山とは仏教の各宗派内でトップの位置にあり数多く存在する寺院を統括するなどの機能を持つ特別な寺院のことである。この寺格体制は、本末制度と呼ばれ江戸時代に制度化されたものである。宗教法人に登録されている寺院は必ずいずれかの宗派に属しており、それら数多の寺院は本山によって統括管理されている。寺格は上から「総本山」≒「大本山」〉「別格本山」〉「本山」〉「本寺」〉「中本寺」〉「直末寺」〉「孫末寺」などに階層分けされている。※宗派によっては大本山を1番上の寺格するところもある。江戸幕府が実施した本末制度により、各宗派の寺院は管理されることとなり、勝手に新たな寺を建立することは禁止され、新宗派を興すことができなかった為、戦前まで十三宗五十六派でその数は固定されることとなった。この時に江戸幕府は、庶民に対していずれかの宗派に所属させる「檀家制度」を導入したのである。
代表的な十三宗派の総本山・大本山👏
開宗年(西暦) 宗派 大本山・総本山
740年 華厳宗 東大寺
759年 律宗 唐招提寺
806年 天台宗 延暦寺
816年 真言宗 金剛峰寺
1117年 融通念仏宗 大念仏寺
1175年 浄土宗 知恩院
1224年 浄土真宗 西本願寺 など
1191年 臨済宗 建仁寺 など
1227年 曹洞宗 永平寺
1253年 日蓮宗 久遠寺
1274年 時宗 遊行寺
1661年 黄檗宗 萬福寺
※総本山・大本山は、宗派の○○派によって異なる。